嚥下を可能にするために、絶対的に必要となってくるのが、呼吸とのつながりです。ここでは、呼吸と嚥下のつながりについて、お伝えしています。
あなたは、呼吸と嚥下のつながりをご存知でしょうか?
一件関係なさそうな呼吸ですが、嚥下に大きく関係しています。
そのため、理学療法の分野では、呼吸に嚥下が含まれていました。
では、なぜ、呼吸が嚥下と関係するのか?
それは、嚥下の際には、嚥下時無呼吸というものがあり、嚥下の際には、呼吸が1~2秒間停止します。
この1~2秒間の間、食べ物を食べている最中、ずっと起こっています。
そのため、断続的ではあるものの、無呼吸時間があるため、
充分な喚起能力がない場合、息苦しさを訴え、食事摂取量も増えないことがあります。
また、息苦しいのですから、全身の酸素循環が不十分であり、全身持久力が低下していきます。
これだけでも、嚥下には、呼吸が充分にできることが必要であると、わかっていただけると思います。
しかし、呼吸と嚥下の関係性はそれだけではありません。
訪問や慢性期病院で勤めている方には、誤嚥性肺炎という言葉は聞きなれていると思います。
誤嚥性肺炎での入院率は年々高くなっており、、これによって大きくADL低下を招いてしまいますし、中には重篤な肺炎となり、亡くなる方も多々いらっしゃいます。
リハビリ職として、この疾患と関わる際、よくみられる光景としては、
絶食、
経鼻経管栄養、
IVH、
CV、
リハの介入としては、
熱発しているから介入できない、
可動域練習のみ、
体位ドレナージ、
排痰、
ということで、なかなか介入が難しく、また改善や予防をしていくことに難渋していることと思います。
これが、寝たきり患者さんとなった場合、
主に咽頭に痰がたまり、自己で喀痰出来ないことによって
誤嚥性肺炎が起こっています。
また、誤嚥したものをしっかりと吐き出す(咳嗽)出来ないことから、誤嚥性肺炎になっている方も多いです。
そのため、しっかりと咳嗽できることによって、誤嚥性肺炎を防ぐことが可能となってきます。
また、食事摂取を可能にしていくには、そして、誤嚥せずに食べるためには、
まずはしっかりと吐き出す能力(=咳嗽力)が必要となってきます。
この咳嗽に関わってくる頸部及び胸郭周囲の問題を解剖学・運動学・生理学的視点から紐解きいていきます。
そのため、手技だけを学ぶのではなく、理論的に学ぶことができます。
姿勢改善はもちろんのこと、肺そのものの機能を改善させることで、自己治癒力を引き出していくことが、手技アプローチにより可能となります。
・咳嗽が弱くてしっかりと吐き出せない
・胸郭が固い
・胸部が凹んで、十分な吸気がとれないでいる
・体が丸くなっていて顎が突き出ている
など、臨床上問題となってくることが、解決できる内容となっています。
また、吐き出しの能力(=咳嗽力)ですので、もちろん呼吸リハにも十分関係してくる内容でもあります。
誤嚥性肺炎の患者様への臨床経験が豊富であるからこそ、お話しでき、改善策をご提示することも可能です。
PT 大瀧 春彦 さん
呼吸・循環や内臓機能と臨床について解剖をしりたかったから受講しました。解剖、生理をおさえながら、実技とその効果を教えていただけたので、わかりやすかったです。
PT 楠原 さん
誤嚥性肺炎の方が多く、どのような視点でアプローチすべきか知りたかったので、受講しました。姿勢やアライメントは意識したつもりですが、さらに細かく診ていくべきだと感じました。実技が多く、日々の臨床で活かせると思います。
ST 圓越 さん
ST訓練以前に体のベースを整えないと改善が難しく、リハビリの幅を広げたいと思ったので、受講しました。講師が実技を細かく教えていただい点がよかったですし、何より、自分や相手の体の変化が感じられました。また、吸引が多い方に排痰法をやってみようと思いました。
PT 村松 さん
どんどん咳嗽ができなくなったり、食形態が悪くなる方ばかりをみてきたので理解していかないといけないと思い、受講しました。実技メインでわかりやすかったです。今まで聴診、触診してスクイージングして、しかしていなかったので、今までの患者様に申し訳なく思いました。明日からすぐに使いたいです。
ST 山本 浩 さん
教科書に載っている、あるいは広く行われている手技は首から上のことしか視野に入っておらず、臨床では限界を感じており、臨床で役に立つと思ったから参加しました。手技に先立つ評価の仕方があいまいになっていたところがありましたが、何のためにどの部位を治療するのか明確に説明していただけました。そのため、すべて臨床で活かせると思います。
ST 赤松 さん
ST的に頸部や口腔へのアプローチだけでは不十分な場合が多いことを普段から感じていたから参加しました。呼吸機能や声量が低下いている原因はどのようなものがあるのか知らないことが多かったので、そういった部分を理解でき、普段触らない近の動きやアプローチの仕方について学べたこと、咳そう力を強めるためにさまざまなアプローチを学べたことがよかった。
PT 林 さん
高齢者で咳そう力が弱く、食事が難しい人が多いから、何かできることがないかと思い参加しました。 触る部位や加減などが難しかったですが、ひとつずつついて教えていただいたのでわかりやすかったです。今までは呼吸筋のトレーニングが中心になっていたので、今回の手法を使っていけたらと思います。
ST 澤田 さん
慢性期の病院ではたらいていますが、痰の貯留が多く吐き出せない方が多くおられます。STの視点から何か良い手技がないか学びたいと思い参加させていただきました。少人数のため、しっかり個別で教えていただけたため大変わかりやすかったです。病院に戻り、ほかのスタッフと練習し、現場で生かしていきたいと思います。
ST 西海 さん
STで手技を学べる実技込みのセミナーが少なく、食事を始めると誤嚥性肺炎を起こす患者様の評価・対応を学びたく参加しました。患者様の全身をみることをまた改めて実践していこうと思えました。また、不明な点についてその場ですぐに質問で解決していけるのでよかったです。
ST 富永 さん
嚥下圧だけでなく、咳そうにもっとアプローチできるようになりかったため、受けたいとおもった。セミナーは、実技中心で、理解・質問がしやすかったし、日ごろの疑問を質問できるのもよかった。胸郭・横隔膜など、身体から整えるというのは、嚥下・発声どちらにも必要な視点だと思うので、次の臨床で活かそうと思った。
PT 古川 さん
この1~2年職場で呼吸・嚥下の改善の見込みのある人、必要性のある人が増えてきたため、「食べる」ということで悩むことが多いです。そして、咳が出ない、呼吸がしんどいなどの対応を知りたかったので参加しました。実技中心でかつ実技の時間が十分とれてあったのでよかった。数多くの実技で楽しく興味深くできた。早速行ってみようという気持ちになった。日常生活につなげていけそうです。
PT 星本 さん
寝たきり患者様で下側肺障害が増悪している方に対して、体位ドレナージやスクイージング以外に何かできないかと探していました。知らなかったテクニックも多く学べてよかったです。学んだテクニック評価も含めて臨床で活かしてみたいと思っています。丁寧に教えていただいてありがとうございました。
ST 能代 さん
これまでのSTの手技とは違った視点からのアプローチが必要だと思ったため、参加しました。本日の内容を実施してみたい患者様が何人か思い浮かんでいます。認知症、寝たきり、嚥下障害、唾液誤嚥レベルの方は非常に多いので、そのような方にも試していきたいと思いました。
NS 馬場 さん
院内で誤嚥下肺炎予防は大きな課題となっています。今期・チームで食事姿勢・呼吸法などで取り組んでいこうとしているので、大変参考になりました。また、嚥下は全身の運動だということが体感しながら理解できました。実技が主だったのでよかったです。ありがとうございました。
ST2年目 U・Sさん
咳嗽力向上のセミナーがなかなかなく、学びたいと思ったので、参加しました。また、Basic1や2に出てみて、毎回とてもためになるので、今回も出ました。胸郭の解剖・運動学があまり入っていなかったので、理解することが難しかったですが、実技を通じて学ぶことが出来、理解することができました。円背の方が多くいらっしゃるので、胸郭へのアプローチや筋へのアプローチをやっていきたいと思いました。
ST4年目 荻堂さん
経口摂取前に咳嗽が可能かが前提としてあり、重要性を感じていたから参加しました。先生方が理解できるまで、一人ひとりに丁寧に対応してくれ、理解が深まりました。咳嗽に関わる筋群へのリリースなど、自身でも変化を感じることができましたので、活かしていきたいです。
PT7年目 福川さん
前回、Basic2に出て、大変勉強になり、次も出たいと思ったから受講しました。また、臨床の場でSTがいないので、呼吸や口腔内へのアプローチがわからないので、この勉強会に出ようと思いました。肋間の筋へのアプローチが苦手だったので、大変勉強になりました。呼吸筋や排痰など、間違っていたところもあったので、振り返れてよかったです。臨床で行ってみて変化が楽しみです。技術をどんどんと習得している感覚です。
ST10年目 N・Yさん
嚥下反射や口腔器官の動きだけでなく、全身をみていかなければいけないと思ったので、その知識・技術を知りたかったのでもうしこみました。いろんな部分を緩めていかなければいけないのが意外でした。呼吸介助のやり方が全然間違っていたのがわかり、今までの患者さんにつらい思いをさせていたと思いました。咳嗽力が低い患者さんが多くて、なんとなく腹部、背部の筋が弱いんだろうなとは思っていましたが、骨や関節も関係していたのを知れて、考えれば当たり前ですが、全然そういった視点が欠けていたと思いました。
ST1年目 S・Aさん
実技が多く、まだ不安なところが多くありますが、少しずつ実践していければと思います。また、一緒にパートナーとして組んだ方が、アプローチ前後で変化が出ている所を実感できて、より実践で使いたい気持ちになりましたし、アプローチ側としてもよいなと思いました。
ST4年目 M・Rさん
咳嗽が向上すると食事が食べれそうな方がいらっしゃるため、どこからほぐしていったらよいのかわからず、また、力の強さなどもわからなかったため、申し込みました。
講習は実技が多くてわかり易かったです。今まで力を入れすぎてリハをやっていたように思ったので、そこに気が付けてよかったです。
松田さん ST3年目
咳嗽力の低い患者様が多く、且つ、胸郭の硬い方、舌骨下筋に影響し、喉頭挙上阻害などがあるので受けようと思いました。今回2回目の受講で、より詳しく、且つ感度が上がったように思います。1度受けて臨床で繰り返し、再度受講して手技を確認できました。
目的が少し曖昧になっている部分があったので、整理することが出来ました。
N・Aさん PT6年目
臨床現場で、呼吸や咳嗽力が弱く、何かアプローチ出来ないかと考えていたため、参加しました。実技メインで時間をかけて、学べることができてよかったです。また、少人数だからこその質問のしやすさだったり、アットホームな雰囲気が良かったです。受講してみて、小胸筋や菱形筋といったアプローチは普段から活用できそうに思いました。また、呼吸介助に関して、苦手意識があったので、改善出来ました。
山下 達也さん PT6年目
自分としてもあまり得意な分野でなく、且つ還元できそうな患者様を多く担当させていただいていますので、参加させていただきました。基本である解剖学や運動学から学べたので、手技の理解が良かったです。
H・Hさん ST1年目
咳嗽力が弱い方への有効なアプローチ方法を知りたくて参加しました。頸椎・肩甲骨・腸骨稜など、各部位の位置や呼吸の動きをとらええるのは、難しかったですが、アプローチ前と後の状況の違いを感じたときは効果を実感できました。引き続き、解剖学の復習を続けていき、理解を深めていきたいと思います。
PT 4年目
・摂食嚥下を中心に病院で働いていて、ST・OTがいないため、PTのみでしています。自分が中心となって患者様を診させていただいていて、咳嗽がしっかりと出来れば食事がTryできそうな人が多いことや、呼吸へのアプローチの重要性を考えていたため、今回の講義に参加をさせていただきました。理解はとてもわかり易く説明をしてくださったので、是非取り入れていきたいと思います。
PT 8年目
・PTとしてアプローチできそうなことがたくさんあって聞きやすかったし、理解しやすかった
PT 3年目
・もっと嚥下についての理解を深めて、アプローチできる幅を広げていきたいと思ったからです。咳嗽力はどのような因子で決まるのだろうと疑問でしたが、実技メインで、丁寧に指導してくださり、とても楽しく勉強ができました。アプローチのつながりも理解できました。
OT 7年目
・実技が多くあった
・嚥下と呼吸の関係性と、両方のことが学べた
PT 15年目
・誤嚥性肺炎の方が多く、且つ認知症などで指示が入らない方の咳嗽力を向上させるのに、何か良い方法がないかと思い、受講しました。ほとんど他動でできる手技だったので、指示が入らない患者さんに使えると思いました。排痰に対しての対処法が体位ドレナージやスクウィージングくらいしか思いつかない方には是非受講をお勧めします。
PT 9年目
・実技が多かったので、臨床にすぐ使用できる。
・マイナーではあるが、細かな筋への実技もありわかりやすかった
・頭頸部前突位の姿勢に対してなにかと軽減できるアプローチが学べた
ST 8年目
・体幹からアプローチできれば、嚥下に対してのリハビリの内容の幅が広がるのではないかと思って参加しましたが、座学だけでなく、実際のテクニックが盛りだくさんで、次の日から即使えるものが多かったです。また、臨床での具体例やどう臨床でアプローチしているかを知れたのがよかったです。
ST 2年目
・より実践的な臨床で使用できることを学びたかったため参加しました。実技が多く、わからない所は細かく聞けたので、自分なりには理解できました。また、各ペアに対してしっかりと手ほどきをしてくれ、楽しく学べました。
【受講されてからの変化】
・嚥下障害のある人に対して、頸部の緊張を落とせるようになった
・嚥下能力の引き出しが増えた
・人間の能力の奥深さを再確認した
・円背の人に、胸膜にたいするアプローチをすることで、改善がみられてきた
・呼吸が確実にしやすくなった。
・咳嗽をしっかりとみることで、熱発患者さんが少なくなった
・困っていた排痰法まで学べ、看護とともに介入できるようにもなった
など、うれしい報告も多々いただいています。